川崎中1事件・18歳少年らの飲酒は罪や刑罰に影響を与えるのか?

川崎市の多摩川河川敷で中学1年生の男子生徒(13)が犠牲となった事件で、逮捕された10代の少年3人が事件直前に飲酒していたことが分かりました。

18歳少年らは飲酒していた

10代の少年3人は、事件前日の19日夜から、川崎市川崎区の職人の少年宅で酒を飲み始め、その後、近くの飲食店に移動しました。
その最中、被害生徒が17歳の無職の少年にLINEを使って、「先輩遊びましょうよ」と連絡してきて、合流したということです。
神奈川県警は、飲酒が与えた影響などを慎重に調べているということですが、飲酒していたことは少年らの罪や刑罰に影響を与えるのでしょうか?
150228_川崎中1事件・18歳少年らは飲酒していた.jpg

未成年者飲酒禁止法

まず、未成年者の飲酒に関しては、「未成年者飲酒禁止法」という法律があります。
しかしこの法律は、飲んだ本人ではなく、少年の飲酒を止めなかった親権者や酒類を販売したコンビニ・酒を提供した飲食店などに罰則を科すものです。
ちなみに罰則としては、満20歳未満の者自身が飲酒することを知りながら、満20歳未満の者に対して、酒類を販売・供与した営業者は、50万円以下の罰金が科されます。
また、未成年者の飲酒を知って制止しなかった親権者や監督代行者は、科料(1000円以上1万円未満の財産刑)が科されます。

刑法の問題

この事件と飲酒の関係について最も重要なのは、刑法の問題です。
刑法第39条は、「心神喪失者の行為は、罰しない。心身耗弱者の行為は、その刑を減軽する。」と定めています。
例えば酒を飲んだ影響で、善悪を判断する能力や行動を制御する能力がなくなってしまった場合、その状態で犯した行為は罰しない、または罪を軽くする事になっているのです。
18歳少年らの罪は罰しないか、または軽くなってしまうのでしょうか?

罪や刑罰に影響を与えるのか?

リーダー格の18歳少年と幼なじみだという男性によると、少年は酒を飲んで酔っぱらって暴れ出すと誰も怖がって止められなかったという事です。
1月にも、18歳少年は泥酔状態で、被害男子生徒を正座させ、30分以上殴る蹴るの暴行を加えていたようです。
つまり、18歳少年は酔うと狂暴化し、他人に危害を加えることが過去にも行われ、そのことを少年自身も認識していたと考えられます。

スポンサードリンク

原因において自由な行為の理論

法律の考え方に「原因において自由な行為の理論」というものがあり、今回の18歳少年の行動はこれに当てはまる可能性があります。
少年は例え犯行時に酒酔い状態で制御不能であったとしても、原因となった酒を飲んだ時点では判断能力があるため、酒酔い状態の行動についても責任があると考えるのです。
刑法をそのまま適用するとおかしな結論となる事もあるため、裁判所が「そう上手く罪を逃れることは出来ないぞ」という事で編み出した知恵という事ができるでしょう。

まとめ

事件の前日の夜には被害生徒から加害少年らに「先輩遊びましょうよ」と声をかけたということで、被害男子生徒にも非があったと見る向きがあるようです。
仮に原因は自分で作ったとしても、このケースに「原因において自由な行為の理論」は当てはまりません。悪いのは加害者で、それ以上でもそれ以下でもありません。
(関連記事)
川崎中1事件・18歳リーダー格逮捕!少年はどのような評判の人物か?
川崎中1事件の犯人逮捕へ!18歳少年3人に罪と刑罰は下るのか?
横浜・17歳少年3人の罪と罰は?酒に酔った友人に暴行を加え放置
横浜・17歳少年3人の罪と罰は?酒に酔った友人に暴行を加え放置

コメント

タイトルとURLをコピーしました