生徒に土下座させスマホ撮影した大阪府立高31歳女性教諭の罪と罰

2015年5月1日、女子生徒に土下座を強要し、その様子をスマホで撮影した教諭が処分を受けました。

◆生徒に土下座させスマホ撮影

大阪府教育委員会から処分を受けたのは、31歳の府立高校の女性教諭です。
女性教諭は、2014年6月、当時3年生の担任クラスの女子生徒が体育祭の開会式に遅れたため、競技にも出場できないと考え、別の生徒に代理で出場するよう依頼しました。
その後、女子生徒は競技開始前に登校した事から、女性教諭は代理で準備をしていた生徒に謝るよう促しましたが、謝り方が不十分だとして、女子生徒に土下座を指示しました。
さらに、女子生徒が土下座をする様子をスマートフォンで撮影した後、撮影した画像をその場で見せて、「謝るというのはこういうことや!」と言い放ったという事です。

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◆大阪府立高31歳女性教諭の罪と罰

大阪府教育委員会は5月1日付で、問題の女性教諭を戒告の懲戒処分としました。
戒告とは、公務員の職務上の義務違反に対する懲戒処分(免職・停職・減給・戒告)の中でも一番軽く、具体的には所属長に呼び出され直接説諭される処分です。
また、人に義務のないことを行わせる行為は、刑法第223条の強要罪を構成する可能性があり、強要罪となれば3年以下の懲役が科せられます。
なお、強要罪が成立するにためには、生命・身体・自由・名誉・財産等に対し、害を加える旨を告知して、脅迫する事が必要となります。

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◆過去の土下座事件の罪と罰

過去の土下座事件の例としては、2013年に北海道で発生した「しまむら土下座事件」が上げられます。
この事件で、当時43歳の元介護職員の女は、しまむらで購入したタオルケットに穴が空いていたと主張し、女性従業員に土下座させ、撮影し、ツイッターに投稿しました。
北海道警は「強要罪」の容疑で女を逮捕しましたが、札幌区検は従業員らに対する「名誉毀損罪」で、女を略式起訴し、札幌簡裁は罰金30万円の略式命令を言い渡しました。
なお、従業員を土下座させたことに対する強要罪に対しては、「反省している」という理由により、起訴猶予処分になっています。

◆まとめ~女性教諭・土下座強要事件~

今回の大阪の事件は、女子生徒が別の教諭に「学校に行きたくなくなる」と打ち明けて発覚しましたが、処分まで1年近くを要したのは何故でしょうか。
処分自体も戒告という「叱られるだけ」のものであり、本人いわく「人権感覚が不十分で生徒の心に大きな負担をかけてしまった」にしては、軽すぎる処分でしょう。
女子生徒が卒業したため、形だけの処分で幕引きを図ったのだとすれば、教育委員会の自浄能力には疑問を持たざるを得ません。
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コメント

  1. モモレンジャー より:

    生徒が在学している間は、隠蔽ですよ。
    いつも・・・
    その生徒のプライバシーもありますから・・・

  2. トンボ より:

    確かに生徒のプライバシーも大事です。
    色んな事に配慮するのも大切。難しいですね。

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